現在、日本各地の医療機関で看護師が不足しているといわれているようです。各都道府県には、看護大学や看護学校などの教育機関があり、毎年新しい看護師が誕生しています。それにも関わらず慢性的に看護師不足状態が続いている背景には、職場を去る人が少なくないということが挙げられるのです。想像以上に過酷な職場環境に挫折する人、健康を損ねてやむなく辞めていく人、そして結婚や出産・育児を理由に離職する人など、理由はさまざまだといわれています。しかし、高齢化が進む中、介護分野でも看護師の需要が増していることも、看護師不足の状態に拍車をかけているようです。
このような状況下、各都道府県の看護協会が中心になって、離職した人たちを復職させるための活動を活発化させています。現場を離れて時間が経過すると、復職する際に最新の医療知識や技術について講習を受けることが望まれるのです。結婚や出産・育児を経た人たちが気軽に復職できるよう、セミナーや講習会を開催しています。また、働き方も例えば日勤だけ・夜勤だけ・週2~3日だけなど、柔軟に対応する医療機関も増えているようです。正社員に限らず、パートやアルバイトという形態であれば、復職できる人も多くいるでしょう。復職する看護師が増えれば、それだけ現役の看護師の負担が少なくなり、結果として離職率も減少するといえます。
もとより、強い使命感を持って医療分野で働くことを決めた人たちです。多少の苦労は覚悟していると考えられます。だからこそ、国民の命と健康を支える看護師の皆さんが、安心して生涯働ける環境を整備することが急務といえます。結婚・出産・子育てを理由に離職する必要がない、当たり前の環境が一日も早く整うことが望まれるのです。